最近Cursorを使いながら「なんか重いな……」と感じる瞬間が増えてきて、気になっていたZedをちゃんと調べてみました。使い始めたら思ったより面白かったので、入門として使い方と、自分が普段使っているCursorとの比較も一緒にまとめておきます。
この記事でわかること
- Zed Editorの特徴とVS Code・Cursorとの性能差
- Zed Editorのインストール・初期設定方法
- AI機能やマルチバッファ編集など主要機能の使い方
- CursorからZedへの移行時の注意点
Zed Editorとは?
ZedはRustで書かれたコードエディタです。VS CodeやCursorと比べて劇的に軽量で高速で、Electronを使っていないことがその理由とのこと。開発したのはAtomやTree-sitterを作ったチームで、最初から「パフォーマンス」と「コラボレーション」を中心に設計されています。
ZedはRustで構築され、GPUIというカスタムフレームワークによるGPUアクセラレーションレンダリングを使用。サブミリ秒の入力レイテンシを実現するとされ、Claude、GPT-4、ローカルモデルに対応したAIアシスタントが組み込まれています。
数字で見るとこんな感じです。
- 起動時間:約0.12秒(VS Codeの約10倍速い)
- アイドル時メモリ使用量:約142MB(VS Code/Cursorの800MB以上と比較して)
- レンダリング:120fps、入力レイテンシ2ms
数字だけ見ると「そんなに変わる?」と思うかもしれないんですが、実際触ると体感できます。特に大きいファイルを開いたときの差が顕著で、Cursorだと一瞬止まるような場面でも全然ひっかかりがない。
Zed 1.0は2026年4月29日に全プラットフォーム同時で正式リリースされました。それまでmacOS/Linuxだけだったのが、このバージョンでWindowsにも対応して機能差もなくなったので、試しやすくなりました。
インストールと初期設定
Macならbrewで入ります。
# インストール
brew install --cask zed
# プレビュー版(最新機能を試したい場合)
brew install --cask zed@preview
Windowsは公式サイト(zed.dev)からインストーラーをダウンロードする形です。Linuxは公式のインストールスクリプト(curl -f https://zed.dev/install.sh | sh)などが案内されています。
設定はJSON形式で管理していて、Cmd+Shift+Pでコマンドパレットを開いて「Open Settings」から編集できます。日本語環境で使う場合、フォントの設定だけ入れておくと表示が崩れなくて快適です。
{
"buffer_font_family": "JetBrains Mono, Hiragino Sans",
"buffer_font_size": 14,
"buffer_line_height": "comfortable",
"autosave": "on_focus_change",
"format_on_save": "on"
}
余談ですが、MacだとCtrl+Spaceが日本語入力切り替えと被るので、補完のショートカットは別のキーに変えておいたほうが無難です。コマンドパレットから「editor: show completions」を検索して変更できます。
主要な機能を押さえる
AIアシスタント(Agent Panel)
ZedのAI機能はエディタのコアに組み込まれています。2026年、ZedはACP(Agent Client Protocol)を通じてAI機能を大幅に強化し、Claude AgentやGemini CLIといったACPに対応したAIエージェントをネイティブにインストール・実行できるようになっています。すでにClaude APIキーやGemini購読を持っている場合、Zedでのこれらの機能利用はほぼ追加コストなしで可能です。
v1.3.5(2026年5月20日)で追加されたTerminal Threads機能は注目に値します。Claude CodeやAmpなどのCLIエージェントを、既存のエディタコンテキストと並べてサイドバーエージェントとして実行できるようになりました。
つまり「Zedのエージェントでコードを書きつつ、隣のTerminal ThreadでClaude Codeに別タスクを回す」ということが同一ウィンドウ内で完結するようになっています。これは地味にすごい。
また、Zed独自のオートコンプリート予測モデル「Zeta2」も搭載されています。オープンソースのモデルで、タイピング中にインラインで補完候補を出してくれます。MCP(Model Context Protocol)サーバーも設定から接続できるので、こちらも試してみたいポイントです。
マルチバッファ編集
Multibuffer Editingは、コードベース全体の複数のコードスニペットを一つの編集面に組み合わせることができる機能で、クロスファイルなリファクタリングに最適です。複数ファイルをまたいで同時編集するときに便利で、これはZed固有の面白い機能だと思います。
リアルタイムコラボレーション
Zedはコラボレーション機能をプロトコルレベルで持っています。複数人で同じファイルを同時編集できて、プレゼンス表示・音声・画面共有もついています。自分は普段1人で作業することが多いので使う機会があるかは微妙ですが、ペアプロとかチーム開発だと刺さる機能だと思います。
Vim mode
設定一発でVimキーバインドが使えます。ZedのVimエミュレーションは他のエディタと比べて質が高く、Vimモーションを多用する人には重要なポイントのようです。個人的にはVimをちゃんと使えてないんですが、Zedを機会に練習してみようかと思っています(できるかは別として)。
料金プラン
Zed Personalは無料で、月2,000件の編集予測と、自前のAPIキーや外部エージェントの無制限利用が含まれます。Pro(月10ドル)は無制限の編集予測と、5ドル分のZedホストモデルトークン、それを超えた分はAPIリスト価格+10%での従量課金になります。2週間の無料トライアルもあります。
月10ドルというのはかなり安い部類で、Cursorの20ドルを大幅に下回っています。自前のAPIキー(ClaudeなりGeminiなり)を持っている人なら無料プランで十分かもしれません。
CursorとZedを比較してみる
ZedとCursorはコードの書き方に対して根本的に異なるアプローチをとっています。ざっくりまとめるとこんな感じです。
| 項目 | Zed | Cursor |
|---|---|---|
| ベース | Rustネイティブ | VS Codeフォーク(Electron) |
| 起動速度 | 〜0.12秒 | VS Code同等(遅め) |
| メモリ使用量 | 〜142MB | 800MB以上 |
| AI機能の成熟度 | 発展中(ACPで急成長) | 高い(Composer等が充実) |
| 拡張機能 | 少なめ | VS Code互換で豊富 |
| 料金(Pro) | $10/月 | $20/月 |
| オープンソース | 複数ライセンス(主にGPLv3とApache 2.0) | 一部クローズド |
| コラボレーション | ネイティブで強力 | あり(簡易的) |
ZedはCursorと比べて、速度・メモリ・ローカルモデルサポート・コラボレーション・オープンさで優位。CursorはAIの成熟度・拡張エコシステム・パラレルエージェント・コミュニティで優位という構図です。
Cursorを日常的に使っている自分からすると、AI機能の「使いやすさ」はまだCursorに軍配が上がるかな、という感覚です。特にCursorのComposerはコード変更の予測UIが洗練されていて、Zedのエージェントはまだ追いつきつつある段階という印象。
ただ、一部の開発者はZedをメインエディタとして使いつつ、ヘビーなAI操作はCursorやClaude Codeで行うという使い方をしていて、この2つは排他的ではないとも言われています。
これは正直かなり現実的な使い方だと思っていて、「普段はZedで快適に書いて、がっつりAIに任せたいときだけ別ツールを使う」というスタイルが今の自分にも合いそうです。
Cursorユーザーが移行するときに注意すること
拡張機能の問題が一番引っかかるポイントだと思います。Zedの拡張エコシステムは小さく、ワークフローが特定のVS Code拡張機能に依存している場合は要注意です。ESLintやPrettierはZed側に対応があるので大きな問題にはなりにくいですが、ニッチな言語サーバーとかがある人は事前に確認したほうがよさそうです。
設定がJSONベースなのも最初は戸惑うかもしれません。GUIで設定できる項目が少なくて、基本的にはsettings.jsonを直接書く形になります。VS Codeのように「設定UI」から操作する感覚とは違うので、そこは慣れが必要です。
あとAI機能の「プロンプトの使いやすさ」はまだ差があると思っていて、Cursorのインラインチャットや差分プレビューUIの完成度には及ばない部分も感じます。正直ここはまだ発展途上という印象で、使い込んでいくともっと変わってくるかもしれません。
まとめ
Zedは「速さとオープンさ」を優先したい人に刺さるエディタで、特にパフォーマンスの差は実際に触ると体感レベルで感じられます。2026年4月のv1.0リリースでWindowsにも正式対応し、ACPやTerminal Threadsなど直近数ヶ月でAI機能も急速に充実してきているので、今が試し始めるタイミングとしてはちょうどいい気がしています。
AI機能の成熟度でCursorに完全に勝ったとは言えないし、拡張機能の少なさは現実的なデメリットではあります。ただ、無料プランが使いやすく自前APIキーで動くので、まず試してみるだけなら失うものはほぼないと思います。自分はしばらくZedとCursorを両方使いながら比較を続けてみる予定です。

