「周りのエンジニアがCursorを使い始めたけど、自分はまだ試せていない」「VS Codeとどう違うのか、乗り換える意味があるのか分からない」――そんな疑問を持つ方に向けて、この記事ではAIコードエディタ「Cursor(カーソル)」の基本から主要機能の使い方まで、初心者でも迷わず始められるよう順を追って解説します。
- Cursor(カーソル)がそもそも何なのか
- 無料で始めるためのインストール・初期設定手順
- 日本語化の方法
- Tab補完・Chat・Cmd+K・Agentなど主要機能の使い方
- 料金プランの概要と選び方の目安
- 使ってみて感じた注意点
CursorとはどんなエディタかVS Codeとの違いを解説
Cursor(カーソル)は、AIを活用したコーディング・プログラミング用コードエディタです。Microsoft社製の「Visual Studio Code(VS Code)」をベースに開発されているため、VS Codeと操作性が近く、拡張機能が共通して使えるなどのメリットがあります。
「VS Code に GitHub Copilot を入れるのと何が違うの?」と思う方も多いでしょう。VS CodeでもAI拡張機能を追加すれば似た体験は可能ですが、Cursorは最初からAI統合を前提に設計されているため、チャット・インライン編集・エージェントによる複数ファイル編集やコマンド実行などが一体化しています。
VS Codeが「開発者が自由にカスタマイズできる汎用エディタ」だとすると、Cursorは「AIを中心に据えて、開発フロー自体を速くすることに特化したエディタ」と表現できます。AIと一緒にコードを書くことを前提に作られている点が最大の違いです。
Cursorの普及状況と国内導入事例
Cursorはリリース後に急速にユーザー数を伸ばし、世界的に注目度の高いAIコードエディタのひとつとなっています。
国内でも導入が進んでおり、「価格.com」や「食べログ」を運営する株式会社カカクコムは、AIエディタ「Cursor」を全エンジニアに導入したと2025年4月に発表しています。大手企業での採用実績は、ツールの信頼性を測る指標のひとつとなっています。
Cursorのインストール・初期設定手順
インストール自体は難しくなく、数分で完了します。以下の手順で進めてください。
ダウンロードからインストールまで
Cursorの公式サイトを開いて、インストール用のファイルをダウンロードします。アクセスするとOSを自動判定して最適なバージョンを表示してくれるため、基本的にそのまま「ダウンロード」ボタンを押せばOKです。
インストール中にアカウント登録と初期設定が走ります。言語設定が表示された場合は「Japanese」を選んでおくと、AIとのやり取りを日本語で行いやすくなります(ただし、これはUIの日本語化とは別の設定です)。
UIを日本語化する方法
Cursorは初期状態では英語表示です。エディタのUI自体を日本語にするには、以下の手順を行います。
- 拡張機能から「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストールする
- コマンドパレット(Ctrl+Shift+P / Command+Shift+P)を開き、
>Configure Display Languageと入力する - 表示言語を「日本語(ja)」に切り替え、エディタを再起動する
VS Codeを使ったことがある方であれば、ほぼ同じ手順で対応できます。VS Codeベースであることの恩恵のひとつです。
VS Codeの設定・拡張機能を引き継ぐ
VS Codeで使用していた拡張機能をそのままインポートできます。テーマやキーバインドも移行できるため、乗り換え時のストレスが小さい点は大きなメリットです。見た目もVS Codeと非常に近いため、慣れるまでどちらを開いているか確認する癖をつけておくとよいでしょう。
主要機能① Tab補完(Cursor Tab)でコーディングを高速化
Cursorを触って最初に驚く機能がTab補完(Cursor Tab)です。
AIがコードの流れを把握し、次に書くべきコードを予測して提案してくれます。複数行にわたる提案にも対応しており、Tabキーを押すだけで一括入力できます。単なる辞書的な補完ではなく、「今書いているコードの意図」を汲んだ提案が返ってくるのが特徴です。
# 例:コメントだけ書くと実装を提案してくれる
# ユーザーのメールアドレスをバリデーションする関数
# ↓ AIがそのまま実装を提案
import re
def validate_email(email: str) -> bool:
pattern = r'^[a-zA-Z0-9._%+-]+@[a-zA-Z0-9.-]+\.[a-zA-Z]{2,}$'
return bool(re.match(pattern, email))
コメントを書いたら実装まで提案してくれるこの体験は、コーディング速度の大幅な向上につながります。慣れてくるとTabキーを押す頻度が自然と上がっていくはずです。
主要機能② Chat(AIチャット)とCmd+K(インライン編集)
Chat:コードについて自然言語で相談する(Ctrl+L / Command+L)
チャット機能は、Windowsの場合はCtrl+L、macOSの場合はCommand+Lで起動します。自然言語(日本語でもOK)で質問・指示を送ることができます。
チャット欄で @ を入力すると、特定のファイルやフォルダを参照してAIに質問できます。「このファイルのこの関数がなぜ動かないのか」など、プロジェクトのコードを踏まえた具体的な相談が可能です。
// チャット欄での質問例(日本語でOK)
「@app.py のget_user関数で、
存在しないIDを渡したときの
エラーハンドリングを追加してください」
プロジェクト全体を開いた状態で使うと、コードベースを踏まえた精度の高い回答が返ってきやすくなります。
Cmd+K:選択箇所をその場で書き換えるインライン編集(Ctrl+K / Command+K)
インライン編集機能は、Windowsの場合はCtrl+K、macOSの場合はCommand+Kで起動します。プロンプト入力欄が表示されるので、自然言語で修正内容を指示します。
AIが修正案を提示し、受け入れる場合は確定・不要な場合はキャンセルで元に戻せます。差分を確認してから採用・破棄を選べるため、AIの提案を安全にレビューできます。初心者にとっても扱いやすいフローです。
主要機能③ Agent(エージェント)モードで複数ファイルをまとめて編集
Cursorの機能の中でも特に注目度が高いのがAgentモードです。
チャット欄でモードを「Agent」に切り替えて指示を入力すると、必要なファイルの編集・作成やコマンド実行まで含めて、ある程度まとめて進めてくれます。パッケージインストールやローカルサーバー起動のコマンドが提案され、ユーザーが承諾してから実行する流れになっているため、意図しない操作が走るリスクも抑えられています。
// Agentへの指示例
「PythonのFlaskとSQLiteを使った
シンプルなTODOリストAPIを作成してください。
CRUD操作(追加・取得・更新・削除)に
対応してください。」
この一文で、ディレクトリ構成・ルーティング・DB設定まで案が出てきます。学習中の方は「AIが出したコードを読んで理解する」という使い方もひとつの活用法です。まずは小さめのタスクで動作を確認しながら活用範囲を広げていくのが無難です。
Cursorの料金プランと選び方の目安
CursorにはHobby(無料)、Pro(有料)、Teams/Enterpriseの各プランがあります。まずは無料プランから試し、使用頻度に応じてアップグレードを検討するのがおすすめです。
- Hobby(無料):クレジットカード不要で開始可能。AgentリクエストとTab補完に制限あり。まず試したい場合はここから
- Pro(月額$20):AgentリクエストとTab補完の上限が大幅に増加。日常的に使う場合の有力な選択肢
- Teams($40/ユーザー/月):チーム向け。共有機能・使用状況の分析・SSO(SAML/OIDC)・プライバシーモード制御などが追加
- Enterprise(要問い合わせ):大規模組織向け。請求書払い対応など
プランごとに使える量(Extended limits)の考え方が異なります。使い始めはCursorのUsage(使用量)画面を確認しながら、自分のユースケースに合うプランを見極めていきましょう。
Cursor初心者が知っておくべき注意点とTips
AIの提案は必ずレビューしてから採用する
AIが生成したコードをレビューなしに全て採用するのは危険です。一気に大きな変更を依頼するよりも、「まずこの関数だけ書いて」のように小さく依頼して確認を繰り返すほうが精度が高まります。差分をしっかり確認してから採用・破棄を判断する習慣をつけましょう。
プロジェクト全体をフォルダごと開いて使う
Cursorはプロジェクトを開くとコードベースをインデックスし、回答や提案の精度を上げる仕組みがあります。ファイル単体ではなく、フォルダごと開いてプロジェクトとして認識させることでAIの回答精度が向上します。
画像(スクリーンショット)をチャットに渡すマルチモーダル機能
チャットの入力欄に画像をドラッグアンドドロップして、スクリーンショットをそのままAIに渡して相談できます(マルチモーダル機能)。ただし、利用しているモデルやバージョンによって挙動が異なる場合があります。うまくいかない場合は、画像をプロジェクト内に配置してファイルとして参照する方法で代替できます。
Lintエラーの自動修正にも対応
Lintエラー(コードの文法・スタイル上の問題を検出する機能)が検出された際、修正アクションからAIに修正案を作ってもらえます。エラーを素早く修正しながらコードの品質を保てるため、エラー対処に時間を取られがちな初心者にとって特に有用な機能です。
まとめ
- CursorはVS CodeベースのAIファーストなコードエディタ。VS Codeを使ったことがあれば乗り換えのハードルは低い
- Tab補完でコードを高速入力、Cmd+K(Ctrl+K)でインライン編集、Chat(Cmd+L / Ctrl+L)でコードを相談、Agentでまとめておまかせ――用途に合わせた機能の使い分けが重要
- 無料プラン(Hobby)から始められるので、まずインストールして触れてみるのが最短の習得方法
- AIの提案は必ずレビューしてから採用する癖をつけることが安全で確実な使い方につながる
- 料金はプランごとに使用上限が異なるため、実際に使いながら自分のユースケースに合うプランを選ぼう
「AIコードエディタが気になっているけどまだ試していない」という方にとって、CursorはVS Codeから移行しやすく、とっつきやすい選択肢のひとつです。まずはインストールだけでも試してみてください。

